ファン制御まわりの整理メモ(ESP32 / MK4Sエンクロージャー前提)
1. ファンの「3本目」は何か
![[IMG_056CAFCF-B2F7-40EF-B7FD-DAE155B02D07.jpeg]] 一般的な3線ファンの配線は以下。
- 赤:電源(+12V)
- 黒:GND
- 白(または黄):タコ信号(回転数フィードバック)
この3本目(タコ線)は 制御用ではなく観測用。
- ファン内部のホールセンサ由来
- 1回転あたり2パルスなどの矩形波
- マイコン側で回転数(RPM)を読み取るための信号
※ 回転数を「変える」ことはできない。あくまで「読む」だけ。
2. ファンの変速には2方式ある
(A) 変圧方式(電圧を下げる)
- 電源電圧そのものを下げて回転数を落とす
- 可変抵抗・DC-DC・安価な市販ケーブルで多い
欠点
- 低電圧で起動しないことがある
- トルク不足・停止しやすい
- 効率が悪い(発熱・無駄)
(B) PWM方式(ON/OFFを高速で切り替える)
- 電圧は常に12V
- ON/OFFの比率(Duty比)で平均回転数を制御
利点
- 起動トルクを確保できる
- 低速でも安定
- 効率が良い
- 制御しやすい(マイコン向き)
3. なぜ変圧式よりPWMがよいのか
- ファンは「電圧が低い」と回らない or 不安定になる
- PWMは「12Vは常に来ている」ので確実に回る
- 回転数制御をソフトウェアで扱いやすい
- フィードバック制御(回ってない → Duty上げる)が可能
→ エンクロージャー制御・安全設計ではPWM一択
4. PWMとは何か(超要約)
PWM(Pulse Width Modulation):
- 高速で ON / OFF を繰り返す制御方式
- 周期の中で「ONの割合(Duty)」を変える
例:
- 100% → 常時ON → フル回転
- 50% → 半分ON → 中速
- 20% → 低速
※ MOSFETやファン自身は「平均値」として動作する
5. MOSFETの役割
MOSFETは「賢い可変抵抗」ではない。
役割:
- マイコンのPWM信号を受け取る
- 電源ラインを 高速に切る / 入れる スイッチ
- 大電流(ファン)を安全に扱うための仲介役
重要ポイント:
- MOSFET自身は制御ロジックを持たない
- Dutyを決めているのはESP32側
6. PCが起動時に100%回す理由
PC起動直後は:
- 温度センサ未初期化
- ファン状態不明
- 制御ループが成立していない
そのため安全側に倒して:
- 一旦100%回転
- 「確実に回っている」状態を作る
初期化完了後:
- 温度が読める
- 回転数が確認できる
- PWM制御に移行
→ 騒音より安全優先 → 後から最適化
7. 温度 × 回転数 × 騒音のトレードオフ
三者は同時に最適化できない。
- 温度 ↓ → 風量 ↑ → 騒音 ↑
- 静音 ↓ → 回転数 ↓ → 温度 ↑
現実的な制御方針:
- 最低回転数を決める(止まらない)
- 温度しきい値で段階制御
- 急変させない(ヒステリシス)
→ 「常に最静音」ではなく
→ 「安全で許容できる騒音」に落とす
補足(MK4Sエンクロージャー文脈)
- タコ線:異常検知・ログ用
- PWM制御:ESP32 + MOSFETで実装
- 初期100% → 制御移行は必須設計
- 将来:温度 × 回転数 × LED演出と連動可能