磁器キーキャップ構想メモ(鋳込み × 入力体験設計)
本構想は「磁器キーキャップを作る」こと自体が目的ではない。
作業状態ごとに最適化された入力体験を、引き算によって設計することが主目的である。
参照プロファイルとして HHKB を用いるのは、模倣ではなく比較基準の固定であり、
最終的にはオリジナルプロファイルへ収束させる前提とする。
前提となる思想
・入力体験は万人に共通ではなく、行為(コンテキスト)ごとに異なる - 文章執筆 - コーディング - グラフィック作業 - 3Dモデリング
・最適化の方向は「足し算」ではなく引き算 - 主張しすぎない形状 - 集中を妨げない音 - 重さ・質量感の制御
・プロファイルとは外形形状だけでなく、
厚み・質量・音・触感・内部構造を含む総体である
製法選択:鋳込みを選ぶ理由
再現性
・泥漿(スリップ)は以下を数値として扱える
- 比重
- 粘度
- 粒度
・泥漿状態を定数化できれば、収縮率は制御対象になる
・他成形(手びねり・削り)に比べ、理論上のばらつきが小さい
鋳込みは陶芸的というより、プロセス設計に近い製法である。
厚み・質量のコントロール
前提条件を揃えることで、厚みを工程で制御できる。
・型を固定
・完全乾燥スタート
・湿度管理
・放置分数 = 肉厚
この条件下では、
厚み = 時間関数として扱える。
キーキャップにおける
・打鍵音
・重量感
・反発感
は、形状だけでなく工程によって設計可能となる。
内部構造:異素材分離設計
基本方針
・軸は磁器で作らない
・3Dプリント部品を内部に嵌め込む
想定構成
・外装:磁器
- 触感
- 音
- 質量
・内部構造:樹脂
- 軸精度
- 耐摩耗
- 公差吸収
フィット感向上案
・TPE キャップ × ABS+軸
・異素材噛み合わせによる公差吸収
磁器の弱点(割れ・摩耗・精度)を、
素材分離で回避する設計思想。
プロファイル設計に対する考え方
・初期段階では HHKB プロファイルを参照
- 自身のメイン環境
- 比較しやすさを優先
・最終的には
- 指の迷いが減る
- 長時間でも疲れない
- 作業内容に意識を奪われない
といった減算された個性を持つ、
オリジナルプロファイルへ移行する。
補足メモ
・磁器キーキャップという発想自体は珍しくない
・差別化の本質は
- 製法理解
- 再現性設計
- 工程と体験を分断しないこと
本構想は、今すぐ詰める企画ではなく、
時間と経験によって自然に肉付けされる設計ログとして扱う。
(凍結保存用メモ)